決意はある失敗から

ごきげんよう!
シンガーソングライターの梨木ハルトです。
前回の記事では、ダウンシフトという考え方に影響されたというところまで書きました。

それでは次へまいりましょう!

ダウンシフト失敗事件

ハードは現場から落ち着いた現場に替わり、再び勤務時間が普通になってからも「今の状況をなんとかしたい」という想いは変わりませんでした。

私はまたいつハードな現場に転属させられるかもしれないといったような状況にもはや耐えがたさを感じていたのです。

システムエンジニアとして4年目。フリーターから正社員になったときに決意した「3年は続ける」という目標は達成していました。(社会人編2参照)

年齢は32歳。

システムエンジニアとしてはどこの現場でもやっていける自信のようなものも付いてきました。逃げるわけではなく次のステージに行く時期だと確信していた時期でもありました。

ダウンシフトしたい。ダウンシフトしたいけれどどうすればいいのだろう?(※ダウンシフトについては前回記事参照)

そのときに、会社員を辞めて千葉に住んでいたSさんから「匝瑳に借りられる古民家があるからそこに引っ越さないか」というようなお誘いがありました。

私は会社を辞めてそこに引っ越そうという気持ちが強くなり、上司に会社を辞めると言う時期まで決めていました。

ところが、「古民家が空く」という話が突然なくなったのです。

私は残念な気持ちもありながら、会社を辞めることを断念しました。
当時私が住んでいたのは実家で、会社を辞めることに全く理解を示さない家族と一緒に住みながらダウンシフトを実行する自信が当時の私にはなかったからです。

その失敗をきっかけに原点に立ち返る

そのダウンシフト失敗事件は私にとって自分のこれからのことを考えるきっかけになりました。

「ダウンシフトもタイミングに嫌われた。では私はどうしたいのか?」

自問自答の日々です。

問:転職するべきか?
答:転職しても会社を辞めたい想いは結局変わらないのでは?
もしくはエンジニアとして覚悟を決めるためには、音楽という道を一度諦めることも必要なのか?

問:会社を辞める?
答:辞めたところでその後のプランは? 実家にいるときに辞めても色々言われるだけでしょ?

問:田舎に引っ越す?
答:会社を辞めないまま引っ越しても単に通勤がきつくなるだけ。
それにその状態でまた仕事がハードになったらどうするの?

そのような自問自答繰り返しして出した答えが、

「ミュージシャンの卵として最後のあがきをする」

ということでした。

とにかくここではない場所へという想い。

そしてシステムエンジニアとしてもミュージシャンとしても中途半端な自分への許せない想い。

田舎に引っ越す。会社を辞める。転職する。エンジニアとして更なる高みを目指す。

正直どれでもよかった。

そして、それらの選択肢を超えて湧き上がってきたある強い想いがありました。

「原点であるプロミュージシャンの夢」へチャレンジする。

自分で決めたチャンスは1回きり。

駄目だったら、おとなしくミュージシャンでプロになる夢は諦めて次のアクションを起こす。

このチャレンジで私は「ミュージシャンになる」という夢に決着を付けるつもりでいたのです。

それが私にとって転機になったデモテープチャレンジでした。

社会人編7へ続く