デモテープ送付というチャレンジ

ごきげんよう!
シンガーソングライターの梨木ハルトです。
前回の記事では、デモテープチャレンジという人生を賭けたチャレンジをするところまで書きました。

デモテープとは

アーティストが自分の実力や音楽性を知ってもらうために作成する音源のことです。「テープ」とありますが、テープが使用されていた頃の名称が残っているだけで、音源の形式はCDやMD、データで送る方法など時代によって変化しています。

それでは次へまいりましょう!

決意と揺らぎ

私は各方面にデモテープを送ろうと思い立ちました。
これに対して反応がなかったら、音楽という夢から身を引こう。
そして、何かは決まっていないけれど新しい方向へ歩き出そうとそう決めていました。

そうしないと誰かが決めたルールの上の人生を流されるままに進むような気がしたからです。

このチャレンジを思い立ったのが2012年4月のことでした。

年齢は32歳。
こういうチャレンジにはあまりにも無謀な年齢のようにも思えました。

こんなことやっても無駄なのではないか。

という弱気な心が何度も何度も私の心を襲いました。

こんなことも思いました。

デモテープを送ってアーティストとして成功の一歩を踏み出せるのはほんの一握りの人間だ。
自分などが認められる可能性なんて限られている。
わざわざ自分の実力の無さを証明して自分の自信や、自尊心をまるごと失くしにいくようなものじゃないか。

それでもチャレンジをすると決めた以上、やらなければならない。

思ったのは、このチャレンジをしないまま過ごす人生です。

「あああのときやっておけばよかった。チャレンジしておけばよかった」
と言いながら、テレビに出る若いアーティストの成功を羨みながら、
趣味のままずっと音楽をやっているシステムエンジニアとして40過ぎのおっさんになっている人生です。

それは絶対に嫌だ。嫌だ。嫌だ。

ならば

やってみる!

忘れられないゴールデンウィーク

私はインターネットのサイトでまずは、応募するレコード会社を探し始めました。
年齢制限のないアーティストの募集は意外や意外、かなりの数ありました。

私はそのうち10社に絞り込み、そこに送ることを決めました。

人間は本当に自分のアイデンティティーを賭けた戦いをやるときは、意地でも時間を作るものです。

私はゴールデンウィークの予定を全て明けてこのチャレンジのための時間を作りました。

まず私は、ゴールデンウィークのデモテープチャレンジに弾みを付けるために、一社レコード会社を選んでそこにデモテープを送りまた。4月22日のことです。

それが一つ私の心を軽くした瞬間でした。

「なんだ。ただプロフィールやPRを書いて、写真と音源を添付してポストに入れるだけじゃないか。何をあんなにビビッていたんだ」

そう思いました。
ゴールデンウィークにスタジオに入り、残り9社に送る音源を録音したり、プロフィールを考えたり、写真を用意したり、CD-Rに音源を録音して最終チェックしたり、ポストに送付したりして、10社送り終わりました。

このチャレンジが終わった瞬間の達成感と同時の虚無感は今でも忘れられません。

もしかしたら、これで本当にミュージシャンになるという夢が終わるかもしれなかったからです。

そして、2012年のゴールデンウィークの終わりと共に、私の人生を賭けたデモテープチャレンジも終わりを告げたのです。

社会人編8へ続きます。

※下記の写真はデモテープチャレンジのときに使用していたノート。